稽古の目的
自然に動き、現実に適応する
一つの技を固定した答えとして覚えるのではなく、構え・間合い・体捌き・崩しをつなぎ、状況に応じて変化できる身体を育てます。
参加者の経験、季節、天候、地面の状態に合わせ、安全を優先して内容を調整します。基本を繰り返しながら、素手と武器、屋内と屋外、形と応用の間にある共通原理を理解します。

基本の身体運用
基本動作・構え・体捌き

基本動作
呼吸、姿勢、体軸、重心移動を整え、無理なく動ける身体を準備します。
道場で片脚を軸に行う、前方への蹴りの実演。

構え
一文字・平・十文字・飛鳥などを通じ、守りと移動が途切れない位置を学びます。
神護寺の石段前でとる一文字の構え。

体捌き
攻撃線から外れ、角度と位置を変えながら、次の動きへ自然につなげます。
大木のそばで、相手の木刀の下へ身体を低くする対人稽古。

間合い
相手の武器、速度、意図を読み、攻撃が届く距離と時間を判断します。
一人が低く構え、木刀との間合いを確かめる対人稽古。

崩し
力で押さず、姿勢、方向、タイミングを利用して相手の均衡を変えます。
大木の前で、一人が前方へ身体を傾ける対人稽古。

受身型 · 受身と回転動作
受身型(うけみがた)は、前方・後方・側方への受身や回転動作を通じて、身体操作、柔軟性、体捌きを養う基本技法です。さまざまな地形での転倒時に身体への衝撃を和らげ、安全に動く能力を高めます。
攻防の原理
打撃・投げ・関節技
打撃
拳、手、肘、脚などを用い、力任せではなく距離、角度、体軸を一致させます。受け流しと当身を分離せず、次の位置へ移るために用います。
投げ
相手の重心と動きを感じ、崩しから自然に投げへつなげます。地面の状態と安全を確認し、段階的に学びます。
関節技
手首、肘、肩などの構造を理解し、過剰な力を使わず制御します。形だけでなく、相手の抵抗や方向の変化へ適応します。
移動の忍技
忍歩・飛び・登攀
忍歩
音、姿勢、視線、足裏の感覚を整え、地形に応じて静かに安全に移動します。
飛び・体変術
跳躍や回転を見せる技にせず、障害や攻撃を避け、位置を変えるための移動として学びます。
登攀・昇天の術
木や傾斜など周囲の環境を理解し、無理をせず身体を守る方法として段階的に修練します。


武器術
刀・半棒・棒・手裏剣

刀・無刀捕
刃筋、間合い、抜き、受け流しを学び、素手で武器に向き合う際の位置と判断を磨きます。
道場で、一人が見守る中で行う稽古用の刀を使った対人稽古。

半棒術
短い棒の扱いを通じ、打撃、崩し、関節の制御を一つの流れとして理解します。
鞍馬で半棒を水平に持つ構え。

棒術
長い武器が生む距離を活かし、身体全体で方向と力を伝える方法を学びます。
木々に囲まれた場所で行う、長い棒を使った対人稽古。

手裏剣術
安全管理を徹底し、姿勢、距離、集中、放つ瞬間の一致を修練します。
道具の紹介:手に持った四方に刃先のあるセンバン手裏剣。

忍者八法秘剣術
戸隠流の武器と身体操作を結び、武器が変わっても失われない原理を探究します。
鎖の付いた木製の稽古用武器を使う対人稽古。

武器への適応
武器の形に囚われず、攻撃線、間合い、角度を読み、危険から離れる判断を優先します。
ナイフとセンバン手裏剣が写る、腕のコントロールを伴う対人稽古。
自然に適応する
観察・身体操作・実践的な稽古
自然の中で行う戸隠流忍法の稽古は、観察力、身体の安定、適応力を養います。変化する地形や予測できない攻撃に対して、動きを調整し、自分の身を守る力を育てます。

地形を読む
地面の状態を感じ取り、足運びを調整し、自然の地形で安定した姿勢を保ちます。

空間を読む
距離、障害物、周囲の動きを観察し、状況に適した位置を選びます。

変化を受け入れる
環境や状況の変化に応じて、自然に動きを調整します。

自然を尊重する
周囲の自然環境を大切にし、敬意と注意を持って稽古に取り組みます。
観察し、適応し、的確に判断して行動する。これらの原則は、自然の中での稽古と忍法体術の基礎を結びつけます。
一部のイメージ画像はAIを使用して制作されています。
忍法体術:身体・原理・判断を結ぶ

忍法体術は、身体の使い方(体術)、忍びに関わる技術や技能(忍術)、その応用を導く原理や知識(忍法)を結びます。これらの用語は流派や著者によって用法が異なるため、ここでは学習のための手がかりとして用い、歴史上の厳密な分類とは区別します。
構え(Kamae)、間合い(Maai)、体捌き(Tai Sabaki)、崩し(Kuzushi)は、姿勢・知覚・判断を一体として働かせます。稽古では、相手に合わせて強さを調整し、崩れを認め、不要な動きを止め、無理に押さず距離を取ることを学びます。
自制は、状況に応じた節度ある行動に表れます。何もしないことではなく、安全と相手への敬意を保ちながら、適切な選択をするためのものです。
この考察は、樋口清之監修のもとでまとめられた初見良昭著『戦国忍法図鑑』の読解にも基づきます。対人稽古の例は当道場の現代の指導を示すものであり、それだけで中世の任務を再現するものではありません。


